fukuda's 増刊号
 
 
 
1998.9.22
 

帰国編
第3回 人んちの電気!
夕方4時、腹が減った。関空内の喫茶店。

 さて、「るるぶ・大阪編」を読むためと、お腹が減ったので喫茶店に入る。まあ、ショーウィンドの焼きうどんが美味そうに見えたので入っちゃったんですがね。やっぱり日本のパスタは「うどん」でしょう。スパゲティ・カツオブシソースチーノってか。「ああ、日本のパスタも美味い」「紅しょうがのトッピングも、グー。」
 さてさて、お腹の本能の命ずるまま店に入り一番奥の席に陣取る。次の写真の奥の黒いシャツの人の席に着く。しかし、オーダーを済ませたため、腹の虫も納まり(こういう使い方したっけ)、さてここでの「時間のつぶし方」を考えた。もう一度Eメールのチェックをしようか。しかし、到着時にバッテリーの大半を使ってしまって、残りは20分位しか残っていない。どうしようか。そうだ、この店の中に電気のコンセントがないかなあ。
 あった、あった。トイ面の小テーブルの椅子の足下にあるじゃないか。おお、あるある。どうしようか?今、オーダー取ったばっかりだし、あっちの席より、こっちの席の方がいい席だし。移るのヘンだけど。
 しょうがない、なにせ俺も腹減ってるけど、このMacwindoshも腹減ってるワケだ。よしタラフク食わしちゃる。待ってな。とばかり向こうの席に移る。「おねーちゃん、こっち移ったから。」ここは関西「恥や照れ」なんて文字は辞書に無い町なんや。などと知ったような気持ちで移る。
 さて、そのコンセントは椅子の足の近く。まずは椅子に上着を架けてコンセントを隠す。次に椅子の左横にバッグを置く。右側はガラスである。
 次におもむろにMacwindoshを出してテーブルにセットする。それが下の写真である。それから電源ケーブルをセットして膝の間から足下に落とす。

椅子の下に頭を下げると、すると暗がりの奥にコンセントが見える。そこへ早速、挿す。これでばっちり。これは泥棒なのか。無銭飲食ならぬ、無銭充電か。どちらにしても軽犯罪なのだろうな?
 でも、これもモバイラーの技なのだ。いずれ、特集で解説しましょう。Macwindoshはケーブルをストロー代わりにチュウチュウと電気を吸っているようだ。

 だって、メニューに無いんだもん。「電気充電」てのが。とにかく、私のモバイル&デジタルライフは年がら年中、充電が必要で私の生活は「充電生活」と言われている。今回の旅行は私にとって「人生の充電」のつもりだったが、「機器の充電」のようだった。ビデオは毎日1時間半位撮影していたので、2〜3本のバッテリーを使っていたし、Macwindoshも常時コンセントにつないでいた。私のMacwindoshは2時間しかバッテリーが持たないので、もちろん飛行機の中で使うなんて、アメリカ人のようなことはできない。しかしこのように街の中には、このように「ボランティア」のコンセントがあることを知ったのである。(イタリアと関西のおかげで身勝手が身に付いたかな)
 さて、ここでやっと、PHSの関西アクセスポイントに繋ぎメールを確認。今度は電気の心配もないし、PHSだから料金も安心だし、スピードも早い。
 焼きうどんを食べながらメールを確認すると、おお6本ほど入ってる。日本は今頃、何時なんだ。ああ、ここは日本なんだ。関西だけど時差はないだろう。余裕をもって、一本一本に返事を書く。と言うよりも関空から出られないんだから、時間をつぶしていると言える。それと、使いながらフル充電をするには2時間位使わないといけないんだ。
 私のテーブル担当の女の子は素直そうなかわいい子であった。私は、ここから大阪へ行くにはどうしたら良いのと言うと丁寧に教えてくれた。しかし、「交通機関が全滅だそうですよ。」と言う。そうなのだ。そこで「関空の従業員はどうするの」と聞いた、すると「私達も帰れないんです。交代の人もこれないし。」なる程、この関空では旅行者だけが被害を受けてるワケでは無いのだ。そうだ、今ここから脱出する方法は無いのだ。飛行機以外には・・・。
 そうこうしている内に焼きうどんを食い、コーヒーも2杯飲みきり、3時間が過ぎた。先ほどの女の子が「JRの電車が動き始めたらしいですよ。」と教えてくれた。充電も十分だ。それではいよいよ、「ナニワともあれ、浪速に出てみるか。」さあ、電車の乗り口は向かう。窓の外を見るとホントだ。台風一過である。確かに台風に追いつかれちゃったワケだけど、追い越してっちゃうワケでもあるのだ。

 さあ、大阪では何を見ようか。とりあえず大阪城を見たいのだ。ツウテンカクより、やっぱり大阪城でしょう。まるで田舎物である。いいのだ。観光客なのだイタリアから大阪を見にきたのだ。俺は。
 ところで、例の「大阪から羽田まで」のチケットの権利をどうしようか。後日、もう一度来て帰りに使うか、それとも明日の帰りに飛行機を使おうか。それなら、明日の予約してみよう。
と、言うことでJALのカウンターでおねーちゃんに「明日のチケットとれますか?」すると、朝11時位という。それじゃ早すぎる、そこでもっと遅い便でと言うと「それじゃ、20時55分の便があります。」と言う。それじゃ、遅すぎるじゃないか。「いや、そうじゃなくて、本日の20時55分です。」何、今日、帰れるの。なんだ、そりゃ。「あと30分で空席待ちの発表がありますので、どうしますか?」「はい、お願いします。」なんだ、そうか、そうだよな。台風が追い越してっちゃんだから、飛行機は飛ぶわけだ。何だ、すると俺の便だけが直撃食らっちゃったわけね。
 まあ、初の大阪観光はお預けになっちゃっうけど、早く帰りたい。しかし順番は「91番」である。しかし、さすがに台風直撃の日の飛行機で団体のキャンセルが大量に入るとのことで、たぶん平気だと言われる。でも、俺の「運」は弱いから、90番までとかになりそうな予感。
 ベンチに腰掛けてアタリを見ると、目前のベンチに飛行機で隣にいた新婚夫婦がいた。彼らは午後1時の時点で早々に空席待ちにしたのだろうな。そりゃそうだ、俺みたいに成り行きで大阪観光しちゃうワケにもいかんだろうな。宿代もかかるしな。
 さて、30分ほどするとアナウンスが始まった。新婚夫婦の番号は20番以内らしい。旦那が大喜びでスキップしている。奥さんの元に戻り大きなスーツケースをチェックカウンタに運ぶ。そうか、飛行機で帰るなら、荷物を宅急便にするこたぁなかった。
 ああ、面倒だな。まあ、しょうがない明日には自宅に着くんだし、一足お先に身体だけ帰れればいいや。私の隣にいるおばさんは89番位だ。いいな、この人も俺より前だ。しばらくすると60番までが呼ばれた。ああ、まだか。そして最後。「60番以降の人!」何だあっさり乗れるんじゃないか。カウンタに着くと「預けるお荷物は有りませんね。」と言われちゃいました。だって15分後に出発なんだから、宅急便から取り戻せないし、もうトラック出ちゃったかもしれない。まあ、身軽でいいや。
 と言うわけで、空席待ちというやつで、あっさり帰りの飛行機に乗れちゃったのです。なぜ、始めっから「空席待ち」をしなかったって?だって、お盆や年末年始の帰郷客のニュース見てると空席待ちってとれないのが相場じゃん。しかし、このように、台風の場合はみんなが乗りたがらないのでキャンセルが増えて、乗れるんだなこれが。みなさん覚えておくと良いですよ。


空席待ちカウンタ

 しかしこれがまた、いわくつきで、羽田まであっという間の1時間で着いたのですが、羽田にあちこちからの飛行機が、この時間に集中し、渋滞しちゃって、上空待機なんです。それも1時間以上も三宅島上空なんです。私はイタリアを飛び立ってからすでに24時間以上経っているんです。いつになったら日本に帰れるんだろう。


第18話へ続く

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