1998.1.10
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<デジタル・カメラについての考察>

Part-1:アマチュア編

 デジタル・カメラについての考察を報告します。 また、このことはDTPやマルチメディア関係の画像データと 同じ意味になりますので参考にしてください。
 ここ1~2年でデジタル・カメラが一気に広まりました。 もともとビデオカメラのメカニズムの応用ですから、 従来のアナログ・カメラと同じ物とは考えないでください。 そのビデオが映し出すテレビモニターは人間の目の<補完能力>を 利用していると言うことが基本なのです。
 TVの受像機は500本足らずの走査線を半分ずつ送信しています。つまり250本程度の走査線の情報を見ているのだが、人間の目の残像効果によってフルに画像があるように見えるというように、 人の目の能力によって、それらしく、またキレイにも見えているのです。 小学校の図画の時間に自分の描いた絵を離れて見るとキレイに 見えますと先生に言われたことはありませんか、つまり曖昧な部分は 人間が想像で補完してしまうと言うことなのです。
 ビデオカメラはCCDというセンサーが光の分布を記録するという仕組みです。 そのセンサーの点が画素という物で点の数が多いほど、きめ細かいということ になります。印刷で言うアミ線数と同じ理屈です。 だから、25万画素よりは35万画素、51万画素、80万画素の方がきめ細かいのは 事実ですが、この画素数のCCDの大きさはどうなのでしょう。 たとえば25万画素のCCDを4枚並べれば100万画素になります。 そのかわりCCDは大きくなってしまいます。 逆にCCDのサイズは同じであれば画素が多いこととは集積度が高いと言うことに なります。ちなみに、7~8前までのビデオカメラのCCDは 「2分の1インチ」サイズで35万画素といったものでしたが、 現在は「3分の1インチ」サイズで35万画素と言うように小さくなり、 集積度があがっているわけです。
 しかし、それが良いことかというと、逆のことが起きるのです。
 それはアナログ・カメラでいう感光膜面(フィルム面)が小さくなるわけですから 同じレンズを使った場合、画角が狭くなる、つまり望遠になってしまうのです。 だから、ビデオカメラで室内を撮ると入りきらないので ワイドコンバージョン・レンズが必要になってしまうのです。
 このようにデジタル・カメラと言うのはアナログ・カメラとは違うので、さまざまな事を 見落としてしまうと問題が起こりますので、その辺を少しづつ説明していきましょう。 「デジタル・カメラの問題点」をまとめてみると下記のようになります。

1.画素の問題(アマチュア用とプロ用の違い)
2.画素の問題(マルチメディア用と製版印刷用の違い)
3.プロ用カメラの画角の問題
 (従来のカメラとは違うと言うこと)
4.プロ用カメラのシャッタースピードの問題
 (CCD方式とスキャナー方式)

以上が大きな問題点です。

1.画素の問題(アマチュア用とプロ用の違い)

 アマチュアの場合の最終出力はモニター画面またはインクジェット・プリンタか ビデオプリンタ程度でハガキサイズ位が基本ですので、近くで見ても出力機のドット 能力が低いですからそれなりに見えます。 しかし印刷を前提にしたプロの場合は、どのくらいの大きさで使用するか決定しないと決められません。 そこでアマチュア用とプロ用とで話を分けないと混乱しますし、 またこの記事を読んでいる人で個人的にデジタル・カメラを買おうとして読んでいる 人もいると思いますし、その人にとってはプロの話はどうでもいいことでしょう。

では、まず始めに「アマチュア用」の話をします。

 たとえば大ヒットしたカシオのQV-10と言う物ですが、 あのカメラの場合は画素数は「320ドットX240ドット」と言う物でCCDでは最小レベルの ものです。通常の13インチのモニターなどの画素数が「640ドットX480ドット」が基本 になっています。これはほぼテレビ画面の走査線数に近いと言うことです。 つまり、その半分ということです。

カシオQV10A
カシオQV10A(360x240 dot)

 現在はどのメーカーも「640ドットX480ドット」以上の物になっています。 それではこの「640ドットX480ドット」の画素数を計算してみましょう。 計算すると30万7,200ドットです。つまり約30万画素です。
このように一見「何十万」と言うとすごいように思いますが、大した物ではないのです。 なおかつ、現在では「4分の1インチ」CCDなんて物もありますから、 そのCCDの大きさは対角線で6mmほどの物です。

アマチュアの使用程度ではこれで十分です。しかしこのCCDもくせ者で センサー部分の形状がビデオムービー用の場合は正方形ではなく長方形でなので 完全にCCDと表示ドットが合っている訳ではありません。 従来のアマチュア用デジタル・カメラはムービーカメラ用のCCDの流用ですから、 この部分は上記の物を技術的に補完していたわけですが、最近はスチル・ビデオカメラという カテゴリーが確立したようで専用のCCDが開発されて、それをうたった商品も増えてきました。 画質にこだわるなら、これはポイントのひとつになります。 年賀状やインターネットのホームページに利用するならこの程度でも十分です。

「プロ用」の機種の場合

 それでは「プロ用」の機種の場合ですが、この場合もカンプに利用できる程度か 印刷に利用するのかでレベルが違います。 
 まず始めにカンプ程度の場合、カラープリンタでの出力用に出力サイズで画像解像度が100dpi程度あれば十分です。つまり1インチ(約25mm)あたりに100ドット必要と言うことです。と言うことは 640ドットX480ドットの画像は640 ÷100 = 6.4 となり、 1インチ(約25mm)X 6.4 =160mm になります。 長辺方向で16cmのカンプの画像に使えると言うことになるわけです。 それでは印刷物ではどうなるでしょうか。

印刷に必要な解像度を計算するには、まず印刷のアミ線数によって決まります。 通常のアミ点は175線を使用します。 この製版をするための画像解像度はアミ線数の約2倍が必要となります。 つまり、この場合350dpiとなるわけです。 それではこの数値を先ほどの計算にあてはめてみましょう。
 画像解像度は300dpi位あれば十分なので少し計算をしやすく300dpiにします。 つまり1インチ(約25mm)あたりに300ドット必要と言うことです。 と言うことは640ドットX480ドットの画像は640 ÷ 300 =2.1 となり、 1インチ(約25mm)X 2.1=52.5mm になります。 長辺方向で5cmの印刷の画像に使えると言うことになるわけです。 ですから、中古車センターの商品写真程度ならアマチュア向けデジタル・カメラでも 使えるということになります。

 しかし、ほとんどの人がA4パンフレットやポスターなどに使えないかと考えるはずで、 そのような物には、このような計算の上でカメラ選択をする必要があるわけです。 ちなみに長辺方向でA4使えるものの画像解像度は、長さで約6倍ですから、 面積で36倍になりますので30万画素の36倍つまり1,080万、 結論として約1千万画素のCCDが必要と言うことです。 現在、発売されているCCDで一番大きい物は600万画素のもので、 キャノンやニコンのカメラに使用しています。 350万円程するカメラで印刷できるサイズは先ほどの計算から、 約 A5サイズから、ぎりぎりB5サイズということになります。 このような計算からプロ用としてB倍ポスターにも使えるカメラとなると、 約一億画素のCCDが必要となります。

600万画素のキャノンEOS-DCS1
(600万画素の超高級機)

 また、先ほどの600万画素のCCDの場合で、そのCCDのサイズ (感光膜面:フィルム面に替わる部分)は、ほぼ35mmフィルムの半分、 俗に言うハーフサイズです。つまり画角が狭いと言うことです。 (しかし、ムービー(映画)の世界では35mmカメラと同じなのでメリットがあります。)
以上のような事から「プロ用」の場合はCCDサイズと画角は徹底的にこだわらないといけないことになるわけです。 このような訳で話は長くなってしまうので、今回はここまでといたします。

第2回 デジタルカメラ(フォト)の仕組み」へ続く


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