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fukuda'sの特集として「アナログ写真」と「デジタル写真」を同時に語ることにした。アナログ(銀塩写真)については「アナログ(銀塩写真)の仕組み」を読んでもらいたい。
そこでこちらの「デジタル・カメラの選び方」では「アナログ(銀塩写真)の仕組み」と題して説明する。向こうにも書いたが「デジタル」は「すごい」のではなく「便利」であると言うことなのだ。
そこで、こちらの「デジタル写真の仕組み」では、銀塩写真よりも画像情報的には劣るデジタル写真はどこが「便利」になったかについて論じる。「すごい」と思っている人は、「デジタルカメラ」に大きな期待や過信をしてはいけないことを先に言っておく。すごいのは「便利」なことなのである。
その1:デジタルカメラのメカニズムとサイズそれは「アナログ銀塩フィルム」では「粒子」読んでいるがデジタル写真では「解像度」であるということだ。 デジタルの場合「デジタルデータ上の1ピクセル(画素)の四角い画像の単位がその役をする。四角いタイルを貼ったのようなモザイク画である。これは、人の目に補完能力を出させず、ギザギザの図形を感じさせてしまう。
それは画像表現としてはマイナスな要素である。それを目立たなくするためにはより小さなピクセル(画素)にする必要がある。つまり、細かく再現するためにより多くのピクセル(画素)が必要なのだ。
そこでデジタル・カメラでは「総画素数」と言う表現で性能を現している。30万画素とか140万画素と言う奴である。しかし、この「万」画素がくせ者なのである。大半の人は「万」は多い、「十万」はもっと多い、「百万」は限り無く多いと思うのであるが、実際にはデジタルの世界ではまだまだ少ない「数値」なのだ。
たとえば、つい最近までたくさん出ていたデジタルカメラの主流は、「30万画素」のものでした。この画素数は縦480 X 横640ピクセルの計算をすれば出てくる数字である。つまり縦480 X 横640のタイルを使ったモザイク画とおなじである。ちょっとしたビルの壁面にありそうな数字なのである。この縦横のピクセル数の数によって性能が比較されるので、下記に表を作ってみた。
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初期のカシオQV10 |
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VGA / SONY DSC-F3 |
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XGA / PowerShot600 |
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New! PowerShotA5 |
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Kodak DC210ZOOM |
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Camedia 1400CL |
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キヤノン EOS D2000 |
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キャノンEOS DCS1 |
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A4スキャン300dpi以上 |
上の表を見てもらうとわかるのだが、縦横のピクセル数とはモニターの基本表示性能の表示ピクセル数に置き換えると「画面サイズ」の項の数字になる。つまり、現在話題になっているメガピクセル(百万ピクセル以上)機のカメラでさえ所詮21インチ位の画面ショットのデータと同じなのである。
A4スキャナーでのスキャン画素数 長辺 短辺 mm 297 × 210 インチ 約11.7 × 約8.3 (インチは25.4mm) 解像度 長辺 pixel数 短辺 pixel数 pixel合計数 画素 72dpi 824 × 588 = 480,392
50万画素
100dpi 1170 × 830 = 971,100
100万画素
200dpi 2340 × 1660 = 3,884,400
400万画素
300dpi 3510 × 2490 = 8,739,900
900万画素
350dpi 4095 × 2905 = 11,895,975
1200万画素
この表を見ていくとメガピクセル機でもフラットベッドのスキャナーには全然及ばないことが解る。たとえば、フラットベッドスキャナーでスキャンしたとして、A4サイズを72dpiでその画素数は約50万画素、A4サイズを300dpiでスキャンすれば、600万以上になる。だから、もしも細かいデータが欲しいのなら、アナログ写真をスキャナーでスキャンした方が良いことがわかる。
その2:印刷物に使える大きさデザイン関係で印刷物に使うには300dpi以上の画像解像度が必要なので上記の表をもとに印刷物に使えるサイズを計算してみた表が下記である。
デジタル画像の使用サイズ (ピクセル数) (HPなどで使えるサイズ) (印刷物に使えるサイズ) 画素数 横縦ピクセル数 72dpiの画面 300dpi印刷用 モノのサイズ 総数 横 縦 横X縦(mm) 横X縦(mm) 印刷物 8万 240 320 113 x 85 27 x 20 切手 30万 640 480 226 x 169 54 x 41 証明写真 50万 832 624 294 x 220 70 x 53 名刺サイズ 80万 1024 768 361 x 271 87 x 65 名刺サイズ 100万 1152 870 406 x 307 98 x 74 Eサイズ 130万 1280 1024 452 x 361 108 x 87 Eサイズ 200万 1600 1200 564 x 423 135 x 102 葉書サイズ 300万 2000 1500 711 x 528 182 x 128 B6 単行本 600万 3000 2000 1821 x 711 257 x 182 B5 週刊誌 1000万 4000 2500 1412 x 881 297 x 210 A4 カタログ これを見ると解るように、プロカメラマンが仕事に使えるような、カメラは無いことがわかる。ただし、ラフスケッチやカンプ用の画像ならば100dpiもあれば充分なので、ほぼ2倍〜2.5倍の大きさに使えるということである。
その3:それではどこが「便利」なのか印刷物に使うことを重大に考えなければ、またホームページのコンテンツやマルチメディアの表現に使うのであれば充分な性能であり、「便利」に使える。
<デジタルカメラの「便利」なところは>
1.撮ってすぐ使えること(現像がいらない)
2.すぐ撮り直しがきくこと(フィルムがいらない)
3.すぐコンピュータに取り込めること(スキャナーがいらない)
4.フィルムのように消費物がないので、コストを気にしないで写せること
5.露出が無造作にできること(ビデオ感覚)一言で言えば「お手軽」なことである。しかし、クォリティにこだわる人ならこのデジタル・カメラの中で性能の違いを知りたいはずだ。
そこでいよいよ<デジタルカメラの比較と選び方>を考えてみよう。