1998.7.24
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第4回 これがドコモのモバイル戦略だ!

<お恥ずかしながら
 私、デジタル族になってしまいました。>

 以上のような話の顛末の上ついに、DataScope for DoCoMoと言われる機種をゲットしました。アナログの意地は見事に粉砕してしまったのですが、NTT DoCoMoの身勝手なアナログ廃止攻撃には簡単に屈しなかったと言えるでしょう。思えば2万円引きでの攻撃から半年ほどで「全品無料交換爆撃」を仕掛けてくるとは、少し前に交換してしまった人は悔しい思いをしているでしょうね。私としては前のアナログ携帯の購入費用としてDC充電器などを含めて10万円ほど使っていましたので、今回の本体81,000円とDC充電器と予備バッテリーのトータルで考えるとほぼ同等と言えるでしょう。ただ、いま落ち着いてカタログを見ると三菱のノートパソコンPedion for DoCoMoと言うのが載っていまして、これは50万円位するものです。これでも交換してくれたかもしれないことが惜しまれるのです。でも、あのコンピュータ自身は魅力がないのでいいですが。

 このDataScope for DoCoMoはもともとPHS専用に京セラから出ているものをベースにしています。PHS版は画面表示がアイコンなどを使ってグラフィカルになっています。ドコモ版は文字ベースでちょっと堅い感じです。また、内蔵部品も多いのか少しサイズが大きいです。
 このように現在ドコモでは32Kデータ通信で機器の先行したPHS版の物を携帯用に改造したものを順次企画しているようです。
 このDataScope for DoCoMoも昨年の末には雑誌に紹介されていましたが、この6月に発売になったばかりです。
 また今回カタログを見ていたら、東芝のPHS用のGENIOもDiaroと言う名で出ていました。
東芝のGENIOベースDiaro for DoCoMo。

なかなか、見分けがつかないようにカラーリングをしています。ただし、PHSの場合32Kデータ通信なのですが、携帯の場合一昔前の9600bpsなのはつらいです。何しろ通話料金はPHSの3倍で、通信スピードは3分の1ですから、実質9倍となります。この辺をよく考えて購入しないと大損します。私の場合はアナログとの交換だったので気にしてませんが、あまり携帯を使用しないように考えています。どうしても普通回線やPHSの使えない状況での使用に限られるでしょう。しかし、今回みなさんに可能性を報告するために実験をしてみました。

 

<DataScopeは一体なにに使えるのか。>

 さて、このDataScope for DoCoMoはなにに使えるのか検討してみましょう。大きく分けるとデジタル携帯電話としての機能とアプリケーション機能という2つにわかれます。デジタル携帯電話部分にデータ着信機能とショートメール機能という2つのEメールのような機能があります。しかしこの機能を使うためにはドコモの有料サービスに加入する必要があります。この辺が商品とともに製品マニュアルもややこしくて分かりづらくできています。まだ、プロバイダーに加入していない人などが利用するとは思いますが、我々のようにすでにアドレスをもっている者にとってはあまり必要性がありません。
 そして、もう一つのアプリケーション機能の方にはNiftyServeなどのようなパソコン通信サービスなどへダイレクトにアクセスできるターミナルという機能があります。フォーラムを見ることもできますし、メール送受信もできます。
 またInternetClientという機能ではパソコンでアクセスするように設定して、メールの送受信ができます。そして、お試し版ながらTEXTブラウザーを使ってホームページを見ることもできるのです。ただし、絵も音もありませんし、私のようにプランBの場合(基本料が安く使用量が5割り増しのプラン)の場合1秒1円と考えて良いでしょう。つまり3分間で180円です。加入電話の場合3分間10円ですから、18倍となります。また、モデムスピードは9600bpsというのですから、56Kモデムの5分の1です。つまり5倍の時間がかかるのですから、計算すると18 x 5 = 90倍ということになり、どうしても見たいと言うとき以外は必要ないでしょう。ただしEメールはあっという間に終わりますので、おおいに利用できます。

<PDAとして使う>

 さて、アプリケーション機能の方にはPDAのような機能があります。スケジューラーです。これはカレンダーToDoを表示します。ザウルスなどのスケジューラーと同じように使えます。また住所録は電話番号だけでなく、Eメールアドレスも入力でき使用もできます。また、住所なども入力できますのでまさにPDAと言えるでしょう。ここでお気づきの方もいると思いますが、携帯電話の文字入力は数字のボタンを駆使して入力するためとても面倒くさいものです。
 しかし、このDataScopeはPCカード対応ですから、パソコンから転送して入力する事ができるのです。
TEXTデータをタブで切る仕組みのCSVというフォーマットにすれば転送できます。このためのソフト<DataScopeステーション>が付いてきます。ただし、Windows版のみなのでMacintoshユーザーは残念です。私はたまたま最近Windowsも使うようになったので助かりました。そしてたまたま買って、使っていたLotusオーガナイザーというPIMM(スケジュール管理などの機能)ソフトと完全互換性があり、スケジュールToDo住所録まで簡単にコンバートできました。つまり、これで住所録をコンバートすればすぐに使えるわけで、面倒がありませんし過去のデータが活きてきます。このソフトを立ち上げると下記の左の画像のようにフタの閉じたDataScope画面が現れます。そしてPCカードスロットに差し込むと、右の画像のように開き使いやすくできています。


DataScopeステーション ソフトとLotusオーガナイザー

 ちなみに私の住所録は以前にSharpのWiz800というPDAに入力したものでした。その後、PowerZaurusを使い始めたときに光通信でコンバートしまして、それをMac用のPowerZaurusデータコンバートソフトMZ-Link ColorMacにバックアップしておきました。そしてWindows用ソフトLotusオーガナイザーを使うときにCSVフォーマットでコンバートしていました。それを今回DataScopeに入力したと言うわけです。あぁ、なんと5代目のデータとなります。このデータをパソコン側に戻す事もできますし、パソコンを母艦として必要な時に更新することもできるわけです。

<本体でモバイルする>

 使い方としては本体のみでEメール用の受信機として使うの便利でしょう。文章をこのボタンで打つのはちょっと大変です。まあ、出張や遊びの出先で返事のみを入れる程度なら使えるでしょう。

<モデムとしてパソコンでモバイルする>

 さて、PCカード対応モデムとしてはスピードが9600bpsというのですから、アナログ回線が無く、PHSも使えない場所での利用に限られます。まあ、新幹線の中だとかの宣伝がありますが、東海道新幹線の場合はトンネルが多く、あまり使える場所はないと言われていますがEメールのダウンロードなら3〜4分の通信区間があればOKと言うところですが、実際はどうでしょう。自動車での移動中なら、通信状態の良いところで止めれば十分に使えます。

 それでは、実際に使ってみた報告を次回しましょう。

 

第5話 「これがドコモのDataScopeだ!」へ続く


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