fukuda's 増刊号
 
 
 
1998.9.12
 

第5回 最後の晩餐!
はたして見ることはできるのか。

 10分ほど歩いてサンタマリア・デレ・グラツィエ教会に着いた。ここがそうなのかと思いつつみると、なんか行列ができている。見るためには行列になるとは聞いていたが、もう終わってる時間だろう。明日の朝まで並ぶつもりじゃないだろうな。


左側のクリーム色の建物に最後の晩餐がある。

 行列をよく見ると日本人が6割位いて、特に女の子の2人連れが多い。昨日まで全然日本人に会わなかったが、さすがにミラノは日本人観光客が多い。先頭も日本人女の子の2人連れで「なんで行列してるの」と聞くと7時から見られるのだと言う。それならしょうがない並ぶことにしよう。と時計を見るとまだ30分ほどある。彼女たちは何時から並んでいるのだろう。
 待つこと30分で先頭が入場しだした。ところが入場人数を制限しながらなので、なかなか番がこない、それから待つこと30分やっと我々の番が来た。建物に入りチケットを買い奥に進むとガラスの2重扉があり、その中に全員が入ると次の扉が開き3重の扉を過ぎてやっと最後の晩餐のある建物に入れるのだ。つまり、完全密閉状態なのだ。それが下の部屋である。


右側の扉から入室する。

 壁画はまだ修復中であり、足場が組まれている。窓は全て塞がれて光や空気の管理を厳重にしているのである。この部屋はもともと教会の食堂であり、この広間に食卓と椅子があるの情景を映画で見ていた私はそんな風景を想像していたのだが、現実は飛鳥古墳の壁画ような保存状態なわけである。

 さて、その壁画であるが、噂どおりに顔料がはげていて、うっすらとしか見えない。またこの展示室内の照明も薄暗いので、絵のニュアンスは解らず、どちらかと言うと「修復の様子」を見学すると言う感じである。ただ、現実に500年前に同じ室内にダ・ヴィンチがいたと言うことだけは確かなので、その霊気を感じれば良いのかもしれない。
 10分ほど見て外へ出ると、外にはまだ先ほどと同じほどの行列が出来ていた。
 私は幸運にも旅の目的である2つを何とかクリアできたのだ。あとはミラノの中心地をおさえておけばいいい。まずはミラノの中心にあるスフォルツェスコ城が見えるカイロリ広場まで歩く。


スフォルツェスコ城

 こんな真っ暗になってしまった。スフォルツェスコ城の見学は今回は諦めざるをえない。ここからダンテ通りと言う、銀座の歩行者天国の様な通りをミラノDuomo(ドゥオモ)まで歩く。いよいよ、ミラノのDuomoである。ミラノっ子の自慢であり、シンボルであるDuomoは一体どんなものか、先のコモのDuomoやモンツァのDuomoとどんなに違うのか。いよいよご対面である。
 ドゥオモ広場に着きそこで見たモノは。まずは広大な広場である。そしてその先にDuomoがあるのだが、写真で見る限り他のDuomoと同じ様なものに見える。しかし下の方に見える人物の大きさから比較するとその大きさが解る。なんとそれはコモのDuomoの2倍はあるのだ。つまり、そりゃもう高層ビルなのだ。まわりの建物を見ると2階〜3階建てくらいだから、このDuomoはランドマークなわけだ。資料によるとこのDuomoの建築は1386年から始まり完成までに500年かかったと言う。主な設計はゴシック時代だが教会内部の工事の頃にはバロック時代に入っていたと言う。なるほど時間をかけると言うことはこんな事も起きちゃうのである。


荘厳な夜のミラノDuomo。圧倒され、この後しばらく見入ってしまった。

 このあと、ドゥオモ広場の左にあるアーケードへ入り、あの有名なPRADA本店のある高い円蓋のある交差点をに行き反対側を見るとマクドナルドがあり、ここはかつての銀座4丁目三越前交差点のようである。その裏手に回るとコンピュータ屋があり、AppleがiMacのイベントをやっていた。なんとこちらイタリアでのiMacは約300万リラで日本円なら24万円位である。たっ、高い。可愛そうだ。日本は幸せだ。そしてお店を出るときにキャンペーンギャルから三角形の物をもらった。音を立てるクラッカーをくれたのかと思ったらそれはなんとアイスクリーム。日本でこんなプレミアム見たこと無い。さすがイタリアのAppleである
 さて、ミラノ探検は次回に持ち越しとして早く帰らないと、もう11時だ。地下鉄に飛び乗り一路帰途へ。


怖いくらいに一人も居なくなった夜のメトロ(地下鉄)

 さて、明日はいよいよF1イタリア・グランプリの観戦だ。早く寝ないと朝が早い。あとは晴れてくれる事を祈るだけである。こうご期待。

 


第6話へ続く

(工事中の場合は、もう少しおまちください)

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